はじめに
個人開発やスタートアップの落とし穴。それは、需要のない製品を開発してしまい、サービスの開発に時間をかけたはいいものの、ユーザーがつかない状態に陥ってしまうことです。
せっかくの週末を何ヶ月も費やして作ったサービスが、リリース後に誰にも使われない、そんな経験をしたことがある人も少なくないはずです。
この記事では、サービスやアプリの開発に入る前にアイデアの需要を検証する3つの方法を解説していきます。
1. ユーザーインタビュー
最も直接的で、確実な検証方法がユーザーインタビューです。
ターゲットとなるユーザーに直接話を聞くことで、課題が本当に存在するのか、どれくらい深刻なのかを把握できます。
なぜユーザーインタビューが重要なのか
自分が感じている課題は、必ずしも他の人も感じているとは限りません。
- 「自分が困っている=みんなも困っている」は仮説にすぎない
- すでに十分な代替手段があるかもしれない
- 困ってはいるが、お金や時間を使ってまで解決したいほどではないかもしれない
こうした思い込みを早い段階で検証できるのが、ユーザーインタビューの強みです。
ユーザーインタビューの進め方
1. インタビュー対象者を集める
- 知人・同僚・コミュニティの人に声をかける
- Xで「◯◯で困っている人に10〜15分だけ話を聞かせてほしい」と募集する
- 5〜10人程度話を聞ければ、パターンが見えてくる
2. 質問の仕方を工夫する
ここで重要なのが、聞き方です。
「このサービスがあったら使いますか?」という質問は、ほとんどの人が「使うかも」と答えてしまうため、あまり意味がありません。
代わりに、過去の行動を聞くようにしましょう。
- 「最後にその問題で困ったのはいつですか?」
- 「その問題を解決するために、今どんな方法を使っていますか?」
- 「その解決策に、時間やお金をかけていますか?」
これは「Mom Test(マムテスト)」と呼ばれる手法で、お母さんでさえも嘘をつけないような質問をすることで、本当のニーズを引き出します。
3. 深掘りのポイント
- いつ・どんな状況で困ったかを具体的に聞く
- すでに使っている代替手段(競合サービス、手作業など)を確認する
- 代替手段に対する不満があるかを探る
代替手段があるのに、みんなが不満を持っている、この状態は、プロダクトのチャンスゾーンです。
2. スモークテスト
スモークテストは、プロダクトを作る前に需要を数字で確認する方法です。
具体的には、ランディングページ(LP)だけを先に公開し、興味がある人のメールアドレスを集めることで、アイデアへの熱量を測定します。
スモークテストのメリット
ユーザーインタビューは質的な情報が得られる一方、スモークテストでは定量的なデータが手に入ります。
- 何人がLPを訪れたか
- そのうち何%がウェイトリストに登録してくれたか
- どんな訴求が刺さったか
これらの数字があれば、「なんとなく手応えがある」ではなく、客観的な根拠をもとに判断できます。
スモークテストの進め方
1. ウェイトリスト付きLPを作る
検証用のLPに必要な要素は、最低限これだけでOKです。
- キャッチコピー: 誰の・どんな課題を・どう解決するのかを1行で
- ベネフィット: 「何ができるか」ではなく「ユーザーにどんな変化が起きるか」
- シンプルな説明: 利用シーンが1分で想像できる程度
- ウェイトリスト登録フォーム: メールアドレス+一言コメント程度
デザインの完璧さは求めません。本質は「どれくらいの人が登録してくれるか」です。
2. LPに人を集める
まずはお金をかけずにできることから始めましょう。
- Xやnote、ブログでアイデアの背景とあわせてLPをシェアする
- コミュニティやSlack / Discordで、興味がありそうな人に共有する
- プロフィール欄にLPのリンクを置いておく
余裕があれば、少額(数千円〜1万円程度)の広告テストも有効です。
3. 数字を見て判断する
見るべき指標はシンプルです。
- コンバージョン率(CVR) = 登録数 ÷ 訪問者数
一般的に、2〜5%程度のCVRが出ていれば、少なくとも全くニーズがないわけではないと判断できます。
dapl.ai なら5分でスモークテスト用LPが作れる
「LPを作るのに時間がかかりそう」と思った方には、dapl.ai がおすすめです。
dapl.ai は、アイデアを1行入力するだけで、ウェイトリスト付きのLPを自動生成できるサービスです。
- アイデア1行でLP自動生成
- スマホ対応のレスポンシブデザイン
- ウェイトリスト機能と確認メールが標準搭載
dapl.aiサブドメインで即時公開
検証用LPを用意するコストをほぼゼロにできるため、「まずは試してみる」ハードルが大きく下がります。
3. 市場調査
3つ目は、既存の情報をリサーチする方法です。
ユーザーインタビューやスモークテストを始める前に、そもそもこの課題は存在しているのか、競合はいるのかをざっくり把握しておくと、検証の精度が上がります。
検索ボリュームを確認する
まずは、ターゲットユーザーがその課題を検索しているかを確認しましょう。
- Google Trends で関連キーワードのトレンドをチェック
- Ubersuggest や Ahrefs で検索ボリュームを調査
- 「◯◯ ツール」「◯◯ 方法」などの検索が多ければ需要の兆候
検索されていない場合は、そもそも課題として認識されていない可能性があります。
SNS・コミュニティでリサーチする
X(Twitter)、Reddit、Slack / Discord コミュニティなどで、ターゲットユーザーがどんな発言をしているかチェックします。
- 関連するハッシュタグ・キーワードで検索
- 競合サービス名で検索し、レビューや不満を収集
- 繰り返し出てくる課題やフレーズをメモ
例えば、
- 「タスク管理ツール多すぎて、逆に管理が大変」
- 「毎日の夜ご飯のレシピが決められなくて大変」
といった声が一定数あれば、課題は存在している可能性が高いと考えられます。
競合サービスを調べる
同じ課題を狙っているサービスがあるかもチェックしておきましょう。
競合がいる=市場が存在する証拠です。むしろ、類似サービスが全くない場合は、そもそも需要がない可能性を疑ったほうがいいかもしれません。
調べるポイント:
- 競合の価格帯・ターゲットユーザー
- App Store や Product Hunt でのレビュー・評価
- ユーザーが何に満足し、何に不満を持っているか
競合のレビューで頻繁に出てくる不満は、あなたのプロダクトが解決すべきポイントのヒントになります。
3つの方法の使い分け
それぞれの検証方法には特徴があるので、状況に応じて使い分けましょう。
| 方法 | 得られる情報 | かかる時間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ユーザーインタビュー | 質的(課題の深さ、文脈) | 数日〜1週間 | 課題の存在や深刻度を知りたいとき |
| スモークテスト | 定量的(登録率、訪問数) | 数日〜2週間 | 需要を数字で確認したいとき |
| 市場調査 | 全体像(市場規模、競合) | 数時間〜1日 | アイデアの方向性を決める最初のステップ |
おすすめの順番は、
- 市場調査で課題の存在をざっくり確認
- ユーザーインタビューで課題の深さを深掘り
- スモークテストで需要を数字で確認
という流れです。
まとめ:作る前に検証する習慣をつけよう
個人開発において、コードを書く前の検証は、長期的に見ると時間とメンタルを守ってくれる強力な投資です。
- ユーザーインタビューで課題の存在と深刻度を確認する
- スモークテストで需要を数字で可視化する
- 市場調査で全体像を把握する
この3つを組み合わせることで、「作ってみたけど誰も使わなかった」というリスクを大きく減らせます。
とはいえ、検証に時間をかけすぎても本末転倒です。 dapl.ai を使えば、アイデア1行・5分でウェイトリスト付きLPを公開できるので、スモークテストのハードルを大きく下げられます。
次にアイデアを思いついたときは、まずエディタを開く前に、検証から始めてみてください。